シャンゼリゼがクリスマスイルミネーションで彩られた
11月後半にフランス パリのコーヒーの今を見てきました。
全部で18件ほど、通訳の方とまわりました。
これまでのパリのコーヒーは苦いだけ、みたいに言われていましたが
パリで2010年ころから始まったあたらしいコーヒーの流れは思った
以上に進んでいました。おいしいコーヒーを出し始めています。
「パリには大きな新しい波がきている。パリでおいしいコーヒーを出す
カフェをやるのはとっても面白いことなんだ」と話したCafe LOMIの
若いメルボルン出身の焙煎人のトムさん。
「できるだけゴミを出さない、ムダなものは出さない、がコンセプト」と
いっていたcoutume Labのマティさん。
「フランス人のバリスタとしてでフランス人、パリジャンにアピールする
コーヒーを作りたい」と語っていたのは今週末コーヒーショップ&Barを
オープンさせる飲食経験豊かなオリヴィエさん。
LUSTICで働く女性では数少ないバリスタのサンドラさんも目を輝かせ
ながら、来年には自分のお店を、競争が厳しくなってきて家賃が高い
パリじゃないフランスの街で出したいといい、私の仕事や、日本の
コーヒーの流れについて興味津々でした
コーヒーに使う水は硬水を軟水に変えているところが殆どでした。
高品質のよい素材のコーヒーを焙煎し、おいしいコーヒーを提供して
いるお店がパリ中でもまだ15〜20店舗。その味のレベルは総じて高い
です。それらは深煎りはなく、素材本来のよさを最大限に引き出すという
浅い煎りです。
フランスの外をみてきた(とりわけメルボルン、ロンドン、ノルウェー)
フランス人、またはオーストラリア人、イギリス人が主なオーナーでした。
パリのコーヒーに関わる人にとってのキーワードはメルボルンでした。
今度機会があればメルボルンに行ってみたいと思いました。
パリのコーヒーをひっぱっているとても素敵なオーナー達に出会えました。
2005年にパリに初めてスペシャルティコーヒーのカフェを開いた元グァテマラ大使
の女性、グロリアさんやパリに数店舗を持ち、来春には日本にもお店を出す予定の
若きフランス人や、私が一番気に入ったTELESCOPEをやっているファッションフォト
グラファーの気難しいけど職人気質のニコラさんなど、魅力的な方ばかりでした。
パリはパリのプライドを持ってフランス人ならではのコーヒーを出すという
気概にあふれていました。
帰国してみると、パリよりもコーヒーは日本の方が発展しているのでは、と思いました。
パリはフレンチローストは苦すぎます。元々気付け薬のような、目を覚ますという存在
でしたから、わるいことではありません。すばらしいカフェ文化が醸造されてきたのです
から。
しかし日本はどうでしょうか。
ギラギラするフレンチローストの極深煎の豆で、「おいしい!」「旨い!」と唸らせる
コーヒーを出せるお店が多々存在します。
日本は極深煎から浅い焙煎まで「おいしい!」と感動させられるお店が必ずあります。
極めていく底力がある、そう思いました。
これは実はすごいことなんじゃないかと。
パリのコーヒー店めぐりの報告はまとめて、あらためて集まる機会を作り
お話したいと思っています。