GLAUBELLCOFFEE/グラウベルコーヒーの日記です。
最新コーヒー情報、コーヒーの楽しみ方を伝えたいです。
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- - -
コスタリカに行ったわけ
あとづけの動機は「今年から来年にかけてグラウベルで

販売するコスタリカコーヒーの買付けに行きました」と

なります。



しかし実際は、コーヒーの精製プロセスへの最先端の

取り組みをしている生産現場をこの目でみたかったの

です。



「精製プロセス」ということが私の中でクローズアップ

したのは、去年の6月、酵母や自然発酵がテーマのCOBO Lab.(ウエダ家)さんからコーヒーの講座を依頼された時
でした。

>>2015年6月の講座の様子

一緒に講座をやって頂いた藤原ゆきえさんが、「せっかくウエダ家さんとやるんだから、発酵や酵母をキーワードにしたらどうか」と提案がありました。
ただ淹れ方講座をやるのではなく、酵母がコーヒーのおいしさに影響を及ぼしているのか、に光を当ててできないものか、打診されたのです。

そこでテーマは「発酵でつながるコーヒーとCOBO」となりました。

これまで、深掘りしたことのない部分でした。気がつかなかったと言いましょうか。
コーヒーのおいしさには、発酵というものが影響しているのか、どうか。
問われて始めてちゃんと向き合うことになりました。

元々コーヒー精製を教本などでみると「発酵槽」などと、

「発酵」という言葉は登場します。英語ですと

fermentation(ファーメンテーション)です。辞書でみると

「発酵」「発酵作用」とあります。



しかしここでいう発酵と、ウエダ家さんとの関心時である
「発酵」は実はどちらかというと違います。

コーヒー精製過程での発酵は、パーチメントの外側にある

ミューシレージという粘液質を取り除くための手段です。

なので、発酵は行き過ぎると「発酵過多」や「過発酵」と

してネガティブにとらえられます。



ウエダ家さんと関心を寄せた「発酵」とは、酵母が生豆

にもたらす(醸す)作用にポジティブな影響を及ぼすか

否か、です。



最初に申し上げておかなければならないことは、そもそも

「発酵」という捉え方が、コーヒーの現場と、ウエダ家さん

らとは真逆くらいに違います。言葉の使い方としてそこだけは

頭にいれて読み進んでください。ここでは私の関心時の

ポジティブな発酵過程を、わかりやすく「酵母が介在する」「酵母がはたらく」

としたいと思います。



このことを現場でみたい!と思い色々探しました。産地として近いインドネシア、

ハワイ、、行く段取り寸前まで行ったものもありました。

でも一番ピンポイントなのはコスタリカ。でもなかなか行く

すべのないまま過ぎて行きました。そんな中思いがけず、

コスタリカ産地買付けの話がきました。もう即決でした。

待てば甘露の日和あり、でした。



とにかくコスタリカでは汚染水を河川に流さないという法律が

できたためにハニープロセスという、コーヒー精製が発達したと聞きました。

(ハニープロセスとは収穫したコーヒーチェリーからパルパー

でまず果肉を取り除き、ミューシレージという粘液質を残した

まま、乾燥していく精製プロセス。ミューシレージの残し方で

ブラックハニー、レッドハニー、イエローハニー、ホワイトハニー、

最近ではゴールデンハニー、という言い方がなされ、味も微妙に

異なっていきます)

またこれまでは収穫したコーヒーチェリーを農協のような所に

そのまま売るだけだったが、マイクロミルを所有する生産者が少しずつ増えてきました。マイクロミルとは

自分で作ったコーヒーをパーチメントの状態にまで自ら作ること。

おいしければ高値で買い取ってもらえるようにことで、高品質の

コーヒーが生まれるようになったのです。



精製はさらに研究がなされているようです。まだまだ研究途中の
ようですが、嫌気性発酵、トリプルラバード、ダブルウォッシュなどなどあたらしい精製プロセスに取り組む生産者もいます。

コスタリカでは次の取り組みとして、あたらしい品種を畑に植えだし

よりおいしいコーヒーを作るためのチャレンジが始まっています。

コスタリカは元々カツアイ、カツーラ、カチモールの品種がほとんど

でしたが、ケニアのSL28、ゲイシャ、エチオピア、etcなどを植え始めているところも多く見受けられました。

コスタリカのコーヒーはおいしくなってきています。

おいしさは、精製だけではなく、よい品種、丁寧な栽培、テロワール、熟度の高いチェリーを積む、などの色々な要件が重なって始めてできるものだと実感出来ました。

これからのコスタリカコーヒーから目が離せないですね。

というわけで、「酵母が味に介在するか」の検証の日々が始まりました。










産地コスタリカ - -
| 1/1 |