パリのカフェ文化は1686年に遡る。この年にイタリアのシチリア島出身の
フォランチェスコ・プロコビオ氏がフランス最古のカフェと言われる
Le Procope(ル・プロコップ)を6区のL'Ancienne Comedie通りに創業する。
*カフェの数は1716年に300軒、フランス革命直前年1788年には1800軒、
革命後の1807年は4000軒までになったという。
革命前後のパリ市民およそ65万で、約360人に一軒のカフェという割合
だったそうだ。(*以降、参考文献「お菓子でたどるフランス史」池上俊一著
岩波ジュニア新書 102ページ)
フランスはベトナムが植民地だったからその影響でアラビカではなく
ロブスタ(※カネフォラ種といわれる酸が殆どなく苦みが際立った品種で
アラビカ種に比べると通常は安価)をメインにエスプレッソを作って来たという。
前回書いたように、そのためパリの人にとってのコーヒーは味にフォーカス
することを長くして来なかった。
コーヒーの新しい流れの中で、ヨーロッパでは北欧や英国等に遅れはとったが
2005年にパリで初めてスペシャルティコーヒーを出すコーヒー店ができた。
それがLe Cafeotheque。
元グアテマラ大使だった女性グロリア・モンテネグロさんがセーヌ川そば
Hôtel de Ville駅近くに開いた。
そこから5年間はどういうわけか後続のスペシャルティコーヒー店は
出来ずにいたそうだ。しかし2011年3月に食の都といわれるリヨン出身
のAntoineさんとオーストラリア出身のTomさんが共同経営で、Bon Marche等
高級店ひしめくエリアのBabylone通りに自家焙煎のカフェ、coutumeがオープン
する。そこからは続々とパリにスペシャルティコーヒーを提供するコーヒー店が
出来た。(coutumeは'13年5月に東京、12月に大阪に出店した)
まだ15〜20店舗ほどだが、徐々に増えていっている最中である。
詳しいオープン年次のわからない店もあるが、おおよその年代の所に
挟んでおく。
またほかにもカフェがあるが自分が足を運んだ所のみ記する。
2005年 Le Caféotheque
2010年11月 KB cafeshop
2011年 3月 coutume
2012年 Café Lomi 焙煎所は2010年〜
LOUSTIC
2012 3月 Télescope
2012年秋 Ten Belles
2013年 coutume Lab *coutumeの2店舗目
2013年9月 INSTITUUTTI coutume *coutumeの3店舗目
2013年 HolyBelly
2013年10月 Fondation Café
2013年11月 Belleville Bruerie
2013 年12月 FRAGMENTS
2013 年12月 Reves D’Abyssinie →※CLOSE
2013年12月 LOCKWOOD
2014年1月 café Kitsune *1号店は東京・青山
パリのスペシャルティコーヒーロースターは4つほど。
(ほかにもある可能性もあるが、未訪問なので記せず)
Le Caféotheque、café Lomi、Coutume、一番新しいのは2013年11月の
Belleville Brulerié( Ten BellesをやっているThomas Lehouxさんと
David Nigel Flynnさんと共同経営)
パリ以外の地方にも続々とスペシャルティコーヒーのロースターが
出来て来ているそうだ。
リヨンにはmokxa、ブルターニュにはCaffe Cataldi、ボルドーには、
L'Alchimiste Torréfacteur 、リモージュにはLa Fabrique Du Café
という感じだ。
パリ、フランスのコーヒーはますます熱い。